ヒトリグラス

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一人暮らしとゾンビパニック対策。(13)


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引き続き、ゾンビパニック対策について提案させていただきます。

晴れて死にたての仏様がゾンビになれました。
手足も満足に動きます。
これで生存者にこの世の地獄を見せることができるのでしょうか。

たいていの仏様は棺桶に入っていらっしゃいます。
当然、棺桶の中は真っ暗です。
感染者は何を目安に地上に出るのでしょうか。
まず上下を知覚する判断力が必要です。
地中にいる間に三半規管が劣化してしまうと、憐れ感染者は前後も上下左右もわからず棺の中でただモゾモゾ動くだけです。


三半規管の劣化を防ぐことに成功しました。
光溢れる地上へ帰りましょう。
その為には棺の蓋を開けなければいけません。

しかし、土葬の深さは最低でも1.7メートル。
国内での一般的な棺桶の大きさは0.55×1.85㎡です。
湿った土なら棺桶の上にある土の重量は3トン以上になります。
寝そべった状態から3トンの蓋を押し開ける力は健康な成人男性でも容易ではありません。。


それでは蓋を壊して自分が通れる穴を開け、土を掘って地上を目指しましょう。

しかし、当然ながら棺桶は新品です。
土中で経年劣化していない棺を破壊できるでしょうか。
その可能性は非常に低いと言わざるを得ません。


理由はわかりませんが棺桶の蓋を破壊することに成功しました。
土を掘り進んでさんさんと陽光の差す地上を目指しましょう。

しかし、土は掘って崩すと体積が増えます。
従って土を堀り崩すほど自由に動ける空間は狭くなっていきます。
棺桶ひとつ分の空間から自分の体積を差し引いたスペースを使用して、掘った土をかわしていくしかありません。
無理をして突っ込んでもすぐに身動きが取れなくなるでしょう。
また、強引に掘り進むとせっかく五体満足で残っている四肢を損壊してしまうかもしれません。
歩く屍として活躍するには、非感染者をしっかりと捕まえる腕や走って追いかける脚が必要です。

解決案としては

指などの先端を壊さないように手のひらでそっと掘り崩した少量の土を、棺桶の奥に移動させ脚でギュッと踏み固めて体積を小さくする

という手順をコツコツ繰り返すのが最適解ではないかと思います。


墓地のゾンビたちはこのような艱難辛苦を乗り越えて立ち上がるのです。
もしあなたがゾンビパニック時に墓地で甦る屍をお見かけしたら、その輝かしい奇跡の道のりに思いを馳せつつ少し距離を置いて鈍器などで冷静に対処してください。

続きます。