一人暮らしと熟語。(2)
引き続き、熟語について提案させていただきます。
白河夜船という四字熟語があります。
「京都見物に行った」と嘘をついた人が鴨川と東山の間にある白河について聞かれた際に、白川という川のことだと思って「夜中に船で通ったのでよくわからなかった」と答えてしまったことから嘘がバレてしまったというエピソードから
周りのことがわからなくなるほど眠ってしまうこと
知ったかぶりをすること
という意味で用います。
しかし、この嘘をついた人が名前もどんな人なのかも性別も素性も何もわかりません。
江戸時代の毛吹草(けふきぐさ)という書物が出展だそうですが、上記エピソードの元となる小咄が見当たりません。
おそらく、お伊勢参りに合わせて京都を見物するのがメジャーな観光だった江戸時代の庶民の間で「京都について知ったかぶりをしている人が何でもないことで嘘がバレてしまった」という市民の間でのメジャーな笑い話のようなものだと思われます。
実際に誰が言ったとかではなくエピソードそのものが文献に残ったのではないかと思います。
日常会話で使う前に一応の知識として、頭の片隅に置いておきましょう。
続きます。