ヒトリグラス

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第1099回 一人暮らしと仕事の覚え方。(161)


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引き続き、仕事の覚え方について提案させていただきます。
「会社が粗末に扱えないほど有能な社員」についてお話しています。
前回、製品を梱包する部署に派遣社員のT君がやってきたと申し上げました。

彼は仕事は問題無くこなしていました。
どんな業務でもそつなくこなしていましたが、逆に問題が無さ過ぎるという印象がありました。
後から考えれば、それは彼が上手に立ち回っていたということだと分かります。
何故ならそんな彼が働き始めてからも、特にミスやロスが減った訳ではなかったからです。
どういうことなのでしょうか。

例えば、梱包の際にパッケージである段ボール箱に製品と一緒に取扱説明書を入れます。
仕様や言語などが製品に合わせて違います。
入れ忘れると当然、製品としては不完全なものになってしまいます。

ある日T君はその取説を入れる担当になりました。
ここからは後になって判ったことです。
おそらく彼はその時に取説が余っていることに気付いたようです。
すぐにどれかの製品に入れ忘れているということにも気付いたのでしょう。
ここで「入れ忘れている可能性があります」と一声かければ良かったのですが、何故か彼はそうは考えなかったようです。

彼はその余分な取説を丸めてゴミ箱に放り込んだ後、何やかんや理由を付けて違う業務に変わりました。
どうやらお腹の調子が悪いと言ってトイレに長時間こもり、取説を入れる担当が違うスタッフに変わる頃に戻って別の業務に入ったようです。
さてこのままでは客の手に届いて開封されるまで発覚しません。
この時は丸めて捨てた取説が発見されたため配送工場で全個検品するハメになりました。

上記はかなり後になって様々な物的証拠を照らし合わせてわかったことです。
T君が他人のせいにして逃げるのがとても上手だということもありますが、それ以上に自分に責任のあるミスに気付くのが異常に早いのだと思います。
そのうえで巧妙に他人に責任を押し付けるという小賢しさも持ち合わせていました。

続きます。