ヒトリグラス

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第794回 一人暮らしと仕事の覚え方。(95)


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引き続き、仕事の覚え方について提案させていただきます。
接客業に就いた場合の注意点です。
本人に自覚無く迷惑をかけるタイプのスタッフについて申し上げています。
前回、客受けも良く誰とでも愛を製造できる女性社員についてお話しています。

この女性はとても懐の深い名のある器の人です。
正規・非正規を問わず全部署の男性社員と交流があり、明らかに職場の同僚以上の密接なお付き合いが確認されていたそうです。
また、何名かの常連の宿泊客とも交流があり退勤後にチェックアウトを済ませたお客様とお酒を飲みに行き、そのまま自然な流れで宿泊施設に行っていたという観測結果も報告されています。
彼女と愛を製造したスタッフから直接証言を得たこともあります。

それだけなら特に問題はありませんでした。
みんな仲良し、それでいいじゃありませんか。
彼女の勤務中は前述したように客もおとなしく受け答えし、他の男性スタッフも良いところアピールのために普段以上の働きを見せていました。

しかし、この女性社員がひとたび定時上がりすると、途端に部署内外の男性社員がギスギスし始め、時には散発的な小競り合いもあったとか無かったとか言われていました。
この大いなる愛に囚われた男性スタッフたちの足の引っ張り合いも、そろそろ無視できないレベルで職務に影響を与えていました。
また、女性スタッフの彼女に対する陰口大会もなかなかの盛況振りでした。

とにかく、この無自覚にフェロモンを撒き散らすポイズンアイビーみたいな女性社員が社を去ったことで男性達も正気を取り戻し、平穏を取り戻したのです。
ちなみにこの女性社員は寿退社で、お相手は県外の会社社長だとか病院の院長だとか言われており、また式には職場同僚は誰一人呼ばれていません。
女性スタッフ達はそのことについて、彼女の退社後1年以上に渡って呪いの言葉を冷徹に紡ぎ出すマシーンとなり、鳥倉はその呪言のご機嫌を取るという業務を承っていました。

続きます。