ヒトリグラス

快適な一人暮らしを応援したいと思っております。

第700回 一人暮らしと機能。(45)


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引き続き、機能について提案させていただきます。
機能という面からカレーライスを見つめ直しています。

前回、カレーライスはカレーとライスの割合を味わうという機能を持っていると申し上げました。
ここではこれを「カレー値」と呼ぶことにします。
「カレー力(りょく)」にしようと思ったんですが字面がややこしいのでやめました。

相がけのカレーライスのカレー値はこのように分布しています。


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カレーライスはカレーソースとライスを混ぜることで、このカレー値を操作しながら食べていく料理と言って良いでしょう。

ここで大事なのは、このカレー値のどの値を「最も美味しい」と感じるかどうかで個人差があるということだと思います。
例えば「カレー値50%が最高に美味しい」と思っている人がいたとして、お店・家庭で食べるカレーライスのカレーソースとライスの割合が必ず50%になっていることがあり得るでしょうか。
自宅で作ったカレーライスならある程度の加減ができますが、外食で提供された場合はどうやってもお店によって差があるはずです。
盛り付けの割合の他に、カレーソースの濃度やライスの密度・水分量にもバラつきがあります。

完全に混ぜてしまうということは皿全体のカレー値をひとつの値に固定してしまうことです。
1口目から最後の1すくいまで完全に自分にとってベストコンディションになるのが理想的です。
しかし、その可能性はとても低く非常に分の悪いギャンブルであると言わざるを得ません。

自分に最適なカレー値も弁えずに、味を台無しにしたままカレーライスに臨むのは思考停止です。
少しずつ混ぜて食べれば、そのカレーに合わせたカレー値を作れます。
一口ごとに微調整しながらコツコツと当たりを掴んでいくのが堅実とはいえ賢い食べ方だと思うのです。
例えて言うと、全弾クリティカルヒットorクリティカルヒット無しのカレーライスと、クリティカルヒットを出すために毎回抽選するカレーライスのどちらを選ぶのがクレバーなのかという話なんです。

続きます。
700回とキリの良い数字、いわゆるキリ番ですが特に何も無いのです。