第1388回 一人暮らしと仕事の覚え方。（228）

引き続き、仕事の覚え方について提案させていただきます。
前回、繁忙期をヒラヒラと躱していくＫさんという派遣社員について申し上げました。

Ｋさんの危機察知能力は非常に高く、作業の手を抜いてでも現場全体を見回して　起こりそうなトラブルを常にシミュレーションしていましたが、その能力を使ってみんなを助けようとか製造ラインに貢献しようとかは一切考えていないようでした。

草食動物のようなＫさんの危機察知能は仕事だけに止まりません。
職場の人間関係でもその能力はいかんなく発揮されました。
だいたいどこの職場にでもいる、プライベートにぐいぐい食い込んでくるタイプの距離感がおかしいおばさんや、言動その他には何も問題は無いけど隙あらば宗教の話をしようとする人など、距離を詰めると面倒なことになる人種も上手に避けていました。

そういう面倒なタイプの人がいると、上手く話を合わせながら距離を置き、必要以上に踏み込まないという方法を取っていました。
それぐらいは誰でもできます。
Ｋさんは距離も取りつつ、共通の話題から繋げて自分意外の人をターゲットとして差し出すという方法も使っていました。
やられるとうんざりですが、そういう表面上はどこにも角の立たないやり方として勉強になります。

そんな風に回避にステ全振りのＫさんはようするに「人生経験の豊富な人」でした。
大きな壁に対しては正面からは向き合わず、同じ土俵にも上がらず、ぶつからずに避けていきます。
たいしたもんです。

続きます。

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